最新の研究によれば、高齢者の歩行パターンは認知症の早期警告となる可能性があることが示唆されています。具体的には、65歳以上の高齢者が歩幅と歩行速度において異なる特徴を示すことが、認知症のリスクと関連しているという報告があります。
認知症の疑いが高いとされる歩行パターンは、歩幅が狭く遅い「トボトボ」としたものです。これは、歩行速度が遅い人が認知症の可能性が高いことを示唆しており、これが放置されるとアルツハイマー病など他の認知症のリスクも高まる可能性があることが指摘されています。
ただし、歩行速度が遅い人が必ずしもアルツハイマー病にかかるわけではありませんが、そのリスクが高まる可能性があることは確かです。
さらに、歩幅が狭い人も認知症のリスクが高まることが示されており、歩幅が広い人に比べて認知機能の低下リスクが3.4倍も高いという結果が出ています。また、歩行速度が遅い人は速い人に比べて認知症リスクが1.5倍ほど高まるという報告もあります。
しかし、良い歩行パターンを実践することで、認知症のリスクを減少させることができる可能性があります。正しい歩行方法を取り入れることによって、血流が改善され、脳への血液供給が増加し、「アセチルコリン」という神経伝達物質の分泌が促進され、認知機能が適切に機能する可能性があります。
そのため、高齢者において認知症の予防の一環として、以下の2つのポイントを意識して歩行を行うことが重要です。
1 : 週に合計90分以上(1日に15分以上)の歩行時間を確保する。
2 : 歩幅を広くし、速いペースで歩く。
これらのアプローチを取り入れることで、認知症のリスク軽減に繋がるかもしれません。